BGG株式会社
BGG-FA-20260520-01
FAULT ANALYSIS REPORT
HT-80S ラジコン草刈機

不具合分析報告書

日本原駐屯地 現地確認案件
報告書番号BGG-FA-20260520-01
報告区分初期不具合分析 / 技術所見
分析日2026年5月20日
現地確認日2026年5月19日
対象機器ラジコン草刈機 型式:HT-80S 製造番号:不明
メーカーShandong Hightop Group Co., Ltd
設置場所日本原駐屯地
所在地:岡山県勝田郡奈義町滝本官有無番地
依頼元株式会社電池屋 横森 真俊 様
提出先日本原駐屯地 業務補給課 田中 様
作成会社株式会社 BGG
報告書作成者齊藤 明達
現地確認担当庄司 一彦
要 約

本報告書は、株式会社電池屋 横森 真俊 様よりご依頼いただきましたHT-80S ラジコン草刈機の不具合調査結果について取りまとめたものです。

現地確認の結果、エンジン始動不良に加え、リモコン表示と電磁クラッチの実動作状態に不整合が確認されました。現時点では、スターターモーター単体の不具合として断定するのではなく、スターター系統および電磁クラッチ制御系統を含めた複合的な確認が必要であると判断します。

電磁クラッチが始動時に意図したOFF状態にならない可能性がある場合、スターターモーターに通常以上の負荷がかかるおそれがあります。そのため、部品交換後にはリモコン表示、実機動作および安全連動機能を総合的に確認する必要があります。

1
不具合現象の概要

2026年5月19日、日本原駐屯地において、HT-80S ラジコン草刈機のエンジンが始動しないとの申告を受け、現地確認を実施しました。

当該機は、以前は自動始動および手動始動ともに問題なく使用されていましたが、本件発生後は、リモコン操作および手動スターター操作のいずれにおいても、エンジンが正常に始動しない状態となりました。

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現地主要確認結果
確認項目現地確認内容初期評価
電源系統バッテリー電圧は直列24.3V、並列11〜12Vで安定しており、現地確認範囲では明確な電圧異常は確認されませんでした。異常なし
電磁クラッチ制御リモコン表示と実機の電磁クラッチ動作に不整合を確認しました。具体的には、表示「クラッチオン」時に実機はOFF状態、表示「クラッチオフ」時に実機はON状態となる現象が確認されています。要継続確認
スターター系統スターターモーターが回転しにくく、重負荷または固着に近い状態が確認されました。手動操作も非常に困難な状況でした。要継続確認
電磁クラッチ本体電磁クラッチ本体は完全に不作動ではなく、動作自体は確認されました。ただし、リモコン表示と実機動作が一致していません。要継続確認
追加確認:電磁クラッチ制御基板上の配線を一時的に入れ替えて検証したところ、電磁クラッチ自体が動作しない状態となりました。元の配線に戻したところ、再び表示と動作の不整合状態に戻りました。
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技術所見・推定される要因

【主要観察事項】

リモコン表示と電磁クラッチの実動作状態に不整合が確認された。
スターター系統に重負荷または作動不良と見られる症状が確認された。
電源電圧については、現地確認時点で明確な異常は確認されていない。

【推定される要因】

本件の始動不良は、電磁クラッチ制御状態の不整合と関連している可能性が高いと考えられます。電磁クラッチが始動前に想定どおりOFF状態にならない場合、スターターモーターが大きな機械的負荷を受けた状態で作動する可能性があります。

現地確認では、電磁クラッチ制御部の配線接続に起因すると考えられる逆動作が確認されました。リモコン操作・表示と実機側の電磁クラッチ動作が逆転しており、配線接続または制御信号定義に不整合が生じている可能性が高いと考えられます。

ただし、正規の配線定義およびメーカー側の制御仕様との照合が未完了であるため、現時点では単純な配線誤接続のみと断定するのではなく、制御信号の定義、基板側の制御仕様、リモコン受信系統を含めた確認が必要です。

⚠ 確認範囲の制限について

現時点では始動電流測定、スターターモーター分解点検、負荷試験等を実施していないため、スターターモーター自体の機械的故障、スターターブロックリレーの劣化、その他要因の影響を完全に排除することはできません。

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不具合性質の初期判断

現段階では、本件をスターターモーター単体の不具合として断定することは適切ではありません。スターター系統の作動不良に加え、電磁クラッチ制御状態とリモコン表示の不整合が同時に確認されているため、制御系統を含めた複合的な不具合として取り扱う必要があります。

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リスク評価
リスク項目評価内容
安全リスク電磁クラッチ状態が不明確な場合、意図しない刃部作動や作業安全への影響が懸念されます。
設備損傷リスク始動時に異常負荷が継続した場合、スターターモーターや関連リレーが再損傷するリスクがあります。
使用影響現時点ではエンジン始動が困難であり、通常作業に使用できません。
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対応提案
優先確認
電磁クラッチ制御状態の不整合原因の調査
確認対象には、配線、コネクタ、基板駆動回路、リモコン受信系統、信号定義等を含みます。
交換部品
スターターモーターおよびスターターブロックリレーの交換
始動系統の正常機能を回復させるため、両部品の交換を予定します。
交換後確認
部品交換後の総合確認
リモコン表示と実機動作の整合性、エンジン始動機能(リモコン・手動)、安全連動機能、クラッチON/OFF動作を総合的に確認します。
メーカー確認
Shandong Hightop Group への技術確認依頼
制御仕様、配線定義、安全連動ロジックの確認を依頼することを推奨します。
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現地写真資料
写真1:スターターモーターおよび周辺配線の確認箇所
赤丸部:重点確認箇所
写真1:スターターモーターおよび周辺配線の確認箇所
スターターモーターが固着・過負荷状態。エンジン型式ラベル(SJDGPNHEQM03)を確認。赤丸箇所はスターターモーター本体および接続部。
写真2:電磁クラッチ・ベルト周辺の確認箇所
赤丸部:重点確認箇所
写真2:電磁クラッチ・ベルト周辺の確認箇所
リモコン表示と実機動作の逆転現象を確認した対象箇所。BANDOベルト状態を確認。クラッチ動作は確認できるが表示との不整合あり。
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分析結論
■ 分析結論

本件の主要確認事項は、電磁クラッチ制御状態とリモコン表示の不整合であり、この現象がスターター系統の作動不良と関連している可能性があります。

したがって、スターターモーターおよびスターターブロックリレーの交換に加え、電磁クラッチ制御状態、リモコン表示と実機動作の整合性、安全連動機能を総合的に確認することが重要です。

最終的な原因特定については、実際の修理作業、始動電流測定、部品交換後の動作確認およびメーカー技術確認の結果を踏まえ、必要に応じて本報告書を補足・修正いたします。

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備 考
  • 本分析は、庄司一彦の2026年5月19日現地点検記録および現地写真に基づく初期判断です。
  • 現地では主に目視確認および操作確認を実施しており、始動電流測定、スターターモーター分解検査、全面負荷試験は未実施です。
  • 今後の修理・検証結果により、分析内容を更新する場合があります。
報告書作成
齊藤 明達
現地確認担当
庄司 一彦
作成会社
株式会社 BGG